坊主めくり百人一首
後から、感謝される。
「なぜ、この仕事をしているのですか?」この質問に対する答えは、職業によって異なります。「国を守りたいから。」「命を救いたいから。」ある人は自衛隊に入り、ある人は医者を志ざします。
保育園・幼稚園に勤めていて、最高の賛辞とは何でしょう。名誉とは何でしょう。子供が単純に可愛いから?それは、褒めらることの少ない、高いクレームのリスクに晒される職業に就く理由としては、いささか不釣り合いでしょう。
「後から、感謝されるから。」
生まれて間もない赤ちゃんは、直接「ありがとう」とは言ってくれないかもしれません。それが段々大きくなり、言葉を覚え始めて、あんなに小さかった子供が、ある日「ありがとう」と言ってくれるようになる。今すぐ感謝されなくてもよい、後からでよい。むしろ、後から感謝されることにこそ、大切な尊いものは多いのではないか。目先の学力テストがない環境だからこそ、かえって純粋でいられるのかもしれません。
「子供にとって素晴らしいものだから」はもちろん、そうであればこそ、必ず「後から、感謝される」品物だから、なにより保育園と幼稚園にお届けしたいと、私たちは思いました。日本の全ての保育園と幼稚園に、子供たちの笑顔と笑い声と、先生方の思いのそばに、そんな日々のお役立ちを目指して、この商品は開発されました。
保育園・幼稚園の7つのメリット
- 対象年齢は赤ちゃんから — — ——— 触るだけでも喜ばれます。天然素材だから乳幼児が噛んでも安心です。
- くいつきがよい — — ——— 見たことがないものだから「なにこれ?!」の食いつきは抜群です。
- 何度もやりたがる — — ——— 流麗な文字と絵は飽きられることがありません。毎日のルーチンに取り入れられます。
- 時間がもつ — — ——— かといって、長くもかかりません。最短で10分ほどで行なえます。
- 大勢を一度に対応できる — — ——— 先生ひとりで子供達をみるのは大変!それが10人以上でもまとめて対応できます。
- 親のウケがよい — — ——— 賢そう!良いことをしてもらっている!と理屈抜きで思ってもらえます。
- 新規採用の先生も、すぐに担当できる — — ——— 教育コストがかかりません。
よく頂く不安や疑問
すぐダメになるのでは?
何枚かダメになっても、坊主めくりだから問題ありません。とはいえ、厚紙でできており、そう簡単にはダメになりません。
幼児には難しいのでは?
内容をわからせる必要はありません。そもそも大人でもわかっていないものなのに、千年を超えて愛され続けています。
喧嘩したり、感情的になるのでは?
始めは坊主をひくと泣く子供もありますが、それが、姫をひいて取り返したり、また無くなったりを何度か繰り返しているうちに、ちょっとしたことではすぐカッとしなくなり、メソメソしたりしなくなり、落ち着いた情操の子供が育つようになります。
[坊主めくり]3つの魅力
現在の書店に並ぶ「活字」の百人一首では失われてしまっていますが、古来の百人一首は「散らし書き」で描かれており、その魅力もあって千三百年以上もの間、老若男女を問わず愛好されてきました。なんと読むのかは判らない内から「書」の芸術に触れ、意味も分からない内から「和歌」に親しみを覚え、坊主が何か解らない内から「宗教観」が養われていきます。千年を超えて受け継がれてきた、先祖代々からの贈り物を、お楽しみになってみてください。
魅力1:「書」
日本語は、表意文字(漢字)と表音文字(ひらがな・カタカナ)を同時に使っている、世界的に見ても稀有な言語です。その表記方法に、仮名が進化していく過程で生まれた「散らし書き」という日本独特の「書」の芸術の魅力が足され、平安時代から千年を超えて、全ての日本人が親しんできました。それが近年、活字ができたことで、読みやすさを求めて活字で印刷されるようになったことが、かえって百人一首から「書」の魅力が失われ、日本人の手から百人一首を遠ざけてしまう結果になりました。本当は、始めから読めなくてもよいものですし、「散らし書き」に親しんだ後は、おおよそ字面で覚えていますので、読めてしまうものです。昔ながらの「散らし書き」で書かれた、書画一体の魅力をお楽しみください。
魅力2:「和歌」
和歌とは、「大和言葉」のみを用いて「五・七・五・七・七」に読み上げられる日本独特の歌です。「大和言葉」とは、漢字の訓読みに相当するもので、日本人のしめやかな情緒をよく表現することができます。漢語と外来語、そして生粋の日本語である「大和言葉」を自在に使いこなすことで、外国文化を柔軟に受け入れつつも、日本本来の魅力を失うことなく高めていくことが可能になりました。たとえば井戸の「い」は命の「い」。「と」には「入ってくる」という意味があります。日本の国歌『君が代』も和歌ですし、唱歌『ふるさと』も全て大和言葉で歌われており、広く親しまれています。和歌の中から特に優れたものを選び出して編まれた百人一首。大和言葉の魅力を存分にお楽しみください。
魅力3:「宗教観」
今日、私たち日本人は「坊主めくり」を普通のこととして受け入れることができますが、日本以外の国、例えばキリスト教圏で、「坊主」に相当する「司教」や「牧師」をカードの図柄にして、引くと罰が与えられる(カードが没収される)などという遊びは許されないことです。それほどに宗教とは厳しいものですが、そういった一神教の宗教観とは異なり、「八百万(やおよろず)の神」が信じられている日本では、古来、信仰の自由が保障されており、聖徳太子の時代を最後に宗教戦争もありません。同じ神道の中でも、出雲大社は参拝作法が異なるなど、土地に根付いた信仰の姿が残されています。『古事記』から窺い知ることができる、こうした奥の深い話が「坊主めくり」には象徴的に表現されています。
「書」「和歌」「宗教観」という、非常に高度なことを、[坊主めくり]という親しみやすい形に昇華させた魅力が、本来の百人一首カルタにはあります。この素晴らしい文化を、これから千年先の未来へ。百人一首カルタには「取り札」と「読み札」があります。今回は[坊主めくり]をしていただくためのみにお作りしていますので、「読み札」だけをご用意しております。
終了直前まで大勝ちして得意になっていた子供が、最後の一枚で坊主を引いて泣き出すことがあります。諸行無常、惻隠の情をわきまえた、良い子が育つこと間違いなしです。日本全国津々浦々から[坊主めくり]の声が聞こえてくる日は、そう遠くないと信じております。
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明治時代の木版刷り百人一首カルタを手仕事で復刻した新品をお送り致しますので、購入をご希望の場合は、そのままお使い頂けます。送料はご負担いただきます(着払いでお届けいたします)。
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