[11月5日]奈良 豊鍬入姫宮 例祭

本年(令和5年)11月5日は、大正12年(1923)に内宮別宮の倭姫宮が創建されてから100周年の佳節に當ります。

『倭姫命世記』を筆頭に多くの書畫に描かれ世に知られてゐる通り、倭姫命は第11代 垂仁天皇の第2皇女で豊鍬入姫命に代つて御杖代にお立ちになり、天照大神を奉戴して諸國を巡幸されました。終に五十鈴川の上流の現在の宮地に伊勢神宮を創建され、神宮の祭祀經營の規模を定められた後、東征に向かふ倭建命に神剣を授けられた『古事記』の逸話でも有名です。

そんな偉大な御功績をお遺しになつた方でありながら、倭姫命を祀るお宮がないことを申し訳なく思ひ、當時の國會議員や宇治山田市長を中心に御鎭座に向けた運動が進められた結果、勅使參向の元、御鎭座祭が執り行はれ創建されたのが伊勢の倭姫宮でした。その63年後の昭和61年(1986)に、同じく豊鍬入姫をお祀りするお宮がないことを申し訳なく思ひ、最初に天照大神をお祀りした傳承地である奈良の檜原神社に豊鍬入姫宮が、倭姫宮と同じ11月5日に創建されました。

今日でも、毎年11月5日には、伊勢の倭姫宮と奈良の豊鍬入姫宮で、同日に例大祭が執り行はれてゐます。

倭姫宮御杖代奉賛會 公式サイト
http://www.yamatohime.jp/html/page_a.html

平成19年(2007)に京都の祇園で崇徳天皇御廟所が、平成21年(2009)に亀岡で稗田阿禮社が創祀されてゐますが、平成の末頃までは、さういふ精神が日本人に未だ息づいてゐたのです。翻つて現代の私達を省みる時、後世から見て令和の人達は何をやつてゐたのだらうと嗤はれないやうでありたいものです。

崇徳天皇御廟 公式サイト
http://shiraminejingu.or.jp/history/gobyo/

大和國一之宮の大神神社や、山城國一之宮の賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)のやうに、神話の時代から續いてゐる、古すぎて、いつから行はれてゐるかわからない祭祀も勿論重要ですが、歷史と傳統を繼承した先に誕生した新しい祭典も、同じく尊ひものに思へます。これからも能ふ限り參列させて頂きたいと思ひます。

■主要參考圖書
野田清寿『文部省編小学国史教師用書插絵解説 上巻』昭和8年
宇治山田市教育会『神都読本』昭和8年
磯子尋常高等小学校『国史教授に必要なる日本女性史』昭和6年
三重県教育会『三重婦女読本』昭和14年
下田歌子『日本の女性』実業之日本社 大正2年
川畑篤郎『子供のための日本女性名花集』厚生閣 昭和14年
禰宜五月麿寫『倭姫命世紀 (伴信友遺書)』
普通教育會『國語綴り方文例 : 國定教科應用 尋常第5年用』明治43年

開催概要

開催日時毎年11月5日
午前10時00分
所要時間30分前後
料金玉串料 志納
服装和装 洋装(男性は背廣ネクタイ着用、女性はそれに準ずる格好)
祭典が行はれますので、神様に失禮のない服装にてお願ひ致します

いざ、日本の傳統へ – Touch NIPPON –

ギネスブック公認の世界最古の國・日本。その建國の地・奈良と、千年の都・京都にある宿泊施設[はる家]では、築百有餘年の町家に受け繼がれた日本の傳統文化をお届けしたいと願つてをります。では、日本の傳統文化が受け繼がれた姿とは、具體的にどのやうな姿ですかと問はれれば、それは各家庭に神棚が祀られるやうになつた姿であらうと[はる家]は考へてゐます。史蹟探訪の他、神社清掃奉仕など、年間を通じて様々な祭典に奉賛する機會を通じて、日本の傳統文化に親しんで頂けましたら幸ひです。

*[はる家]が公式サイト等で發表する内容は[はる家]が独自に責任を負ふものであり、神社關係團體とは一切關係ありません。

はる家 一覧
はる家 東山

はる家 東山

築百有餘年(ちくひやくいうよねんの京町家、職住一體(しよくぢゆういつたいの「表屋(おもてや造り」を(つたへる[はる家 東山]。京都驛(きやうとえきから地下鐡十五分(ちかてつじふごふん、年間千二百萬人(せんにひやくまんにん以上が訪れる京都東山に位置し、清水寺、祇園、南禅寺ほかへ徒歩圏内。朝晩は白川の小川沿ひを歩く清々しい散策をお楽しみ頂けます。
所在地:〒605-0026 京都市東山区古川町542番地4
[はる家 東山]のサイトを見る

はる家 梅小路

築百有餘年(ちくひやくいうよねんの京町家四棟が隣り合ふ[はる家 梅小路]。京都驛(きやうとえきから程近く清水寺、祇園、金閣寺ほかにバス一本。町家ならではの「通り庭」があり、坪庭、出格子、圓窓(ゑんまど、縁側など傳統的(でんとうてきな京都の佇まひを(つたへます。
所在地:〒600-8834 京都市下京区和気町1番地12
[はる家 梅小路]のサイトを見る

はる家 ならまち

築百二十年を超える奈良の庄屋屋敷。日本庭園、家族風呂、縁側つき客室など傳統的(でんとうてき)な日本家屋の佇まひを(つた)へます。歴史的な町並み「ならまち」に位置し、奈良公園、大佛殿(だいぶつでん)ほか五つの世界遺産に徒歩圏。奈良(えき)からバス八分(徒歩十五分)。
所在地:〒630-8342 奈良市南袋町31番地4