[9月20日]奈良 多坐弥志理都比古神社 例祭

[9月20日]
奈良
多坐弥志理都比古神社 例祭
毎年9月20日、『古事記』編纂者の一人として名高い太安萬侶公ゆかりの多坐弥志理都比古神社にて、例祭が斎行されてゐる。
主祭神として祀る、神武天皇、神八井耳命(神武天皇の皇子)、神沼河耳命(綏靖天皇)、姫御神(玉依姫命)、太安萬侶の五柱の内、神八井耳命(神武天皇の皇子)の後裔に當る皇別氏族が太安萬侶公に聯なる多氏で、現在でも地域の名称を「多」と言ひ、多忠記現宮司は太安萬侶公から数へて51代目を繼がれてゐる。



多坐弥志理都比古神社の創祀も古く、「神八井耳命が天神地祇をお祀りした」主旨が社傳にあり、神代(神武天皇即位前)の直後まで遡る。さうなれば優に千年を超える例祭に參列させて頂くのは私も初めてで、事前に多宮司に許しを請ふたところ、「勿論よろしいけど、早いでつせ。」「早い分には、私も、その後の仕事がありますので、却つて助かります。」「せやつたら、8時半に来て頂けますやろか。」と、格別のご高配を賜り參列を許されることとなつた。
當日、8時15分に着いてみると、既に拜殿に人影がある。これはいけないと小走りに近寄つていくと、どうも様子がおかしい。人数が少ない。參列者は私の他に四名しかいらつしやらず、思へば、駐車場にも殆ど車はなかつた。「小林さん、どうぞどうぞ。」宮司のお招きに与り昇殿させて頂いたはよいが、いよいよおかしい。二列に着座されてゐる前列のお二方が、なにやら箱のやうなものを白い布に巻かれてお持ちである。「○○家」「●●家」と、布には家名が付されてゐて、鼻息がかからないやうに、顔の前に高く掲げて厳かに着座されてゐるのだ。
「これはもしや、○○さんと、●●さんの、特別なお家の祭事に、間違へて私が来てしまつたものだから、宮司も困つて、とつさに拜殿にあげてしまはれたのではないか。いや、いくらなんでもそんなことは…」と、混亂してゐる頭を整理する間もなく、宮司が「では、始めさせて頂きます。」と、神前に向かはれた。やはり私の到着を定刻になるまで待つて下さつてゐたのか。「かけまくも畏き〜」と、いつもの修祓の間、首を垂れながら、まだ私は事態が飲み込めないでゐた。
すると、續いて宮司が祝詞奏上を始めるや、突然、「おぉぉ」と、地響きのやうな低い警蹕を發せられた。さう、これは、御靈分け(みたまわけ)した御分靈を、當年の頭屋(たうや)の頭首が各家庭に持ち歸り、一定期間(多神社の場合20日間)を神様と共に過ごして様々な饗應をお仕へした後、本殿にお戻りになつて頂く、その最後の儀式に參列させて頂いてゐたのだつた。いまどき、もつと山奥深くにしか、かうした儀式は殘されてゐないものとばかり思つてゐたが、延喜式に名を聯ねる多坐弥志理都比古神社で、ただ古い神社といふだけでなく、神代の直後から續いてゐるかもしれない姿を拜することができようとは思ひもよらなかつた。
太安萬侶公を祀る多坐弥志理都比古神社に、かように古式を色濃く傳へる祭事があるならば、もう一人の『古事記』編纂者・稗田阿禮公を祀る賣太神社には、5年に始まった新しい祭事「阿禮祭」が毎年8月16日に斎行されてゐる。連綿と続く傳統の先に、新しい花が開き、次世代の種を殘していく。古いものと、新しいもの。どちらがよいといふのではなく、どちらもが必須で、古いものだけでは先細りしていくし、新しいだけの根無草は育たない。奈良を旅行される際には、合わせて参拝に訪れて頂きたい場所である。


開催概要
| 開催日時 | 毎年9月20日 午前8時30分 年毎に變更の可能性あり |
| 所要時間 | 15分前後 |
| 料金 | 玉串志納 |
| 服装 | 和装 洋装(男性は背廣ネクタイ着用、女性はそれに準ずる格好) 祭典が行はれますので、神様に失禮のない服装にてお願ひ致します |
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ギネスブック公認の世界最古の國・日本。その建國の地・奈良と、千年の都・京都にある宿泊施設[はる家]では、築百有餘年の町家に受け繼がれた日本の傳統文化をお届けしたいと願つてをります。では、日本の傳統文化が受け繼がれた姿とは、具體的にどのやうな姿ですかと問はれれば、それは各家庭に神棚が祀られるやうになつた姿であらうと[はる家]は考へてゐます。史蹟探訪の他、神社清掃奉仕など、年間を通じて様々な祭典に奉賛する機會を通じて、日本の傳統文化に親しんで頂けましたら幸ひです。
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はる家 東山
築百有餘年の京町家、職住一體の「表屋造り」を傳へる[はる家 東山]。京都驛から地下鐡十五分、年間千二百萬人以上が訪れる京都東山に位置し、清水寺、祇園、南禅寺ほかへ徒歩圏内。朝晩は白川の小川沿ひを歩く清々しい散策をお楽しみ頂けます。
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はる家 梅小路
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